これぞ和!「指物」の魅力

外国人にも人気のある指物の魅力って何?

指物は日本で1000年以上の歴史を持つ工芸品として親しまれてきました。板と板を指し合わせて出来る独特の技法でもって作られるので職人の技術を味わうことが出来、更に大半が日本の木を使ってできているため和を感じることができます。こうした指物は海外でも有名な工芸品で、ウッド・ワーキング・ジョイントという英語で知られております。

では、この指物に人々が魅了されているのはなぜなんでしょうか。先程も言った通り指物は日本の木を使って作られていますが、他の工芸品のように色を塗ったりせずに木そのままの味を生かして作られているところに売りがあります。実際に出来上がった工芸品をみてみると、大半の指物は木目が見えます。こうした文様はデザインしたものではなく元々の素材となった木の年輪を生かしているのです。じっくりと見入っているうちに木の香りが漂ってくることもあります。人に手によって生まれた工芸品に自然が息づいていることがわかるので指物は人気を集めているのです。

指物の発展と茶道の深い関係

次に指物の魅力として挙げられるのは部屋などに飾るだけでなく持ち運ぶこともできる、という点です。元々指物が日本で良く作られるようになった背景には茶道の発達がありました。

室町時代や戦国時代において茶道を極めた人は武家に仕えることが多かったのですが、中には自分の家から他所の武家に赴く人もいました。そうなるとお茶を淹れる際に使う茶碗や茶臼を入れるものが必要となります。そして、そのために使われていたのが指物だったのです。特に茶道においては華美なものを嫌い、簡素なものを好む傾向がありますから、素材の味を生かした指物は高く評価されるようになります。指物は茶道とともに発展していったものなのです。

もちろん現代の私たちは茶道に親しむことが少なくなりましたからお茶の用具を入れるために指物を使うことはありません。しかし、普段のお化粧のために使うリップやファンデーションなどを指物の小箱に入れるようになれば、生活がいくらか風流になるのではないでしょうか。このように指物の魅力はなるだけ手を加えずに出来ていて、いつでもどこでも手元においておけるという点が挙げられます。

私達の生活を豊かにしてくれる、指物

海外からのインテリアが輸入されるようになってきて指物は基本的に東京や大阪など限られた場所でしか作られなくなってしまいましたが、現在はインターネットを通じて他の県からも注文ができるようになりました。試しに買ってみて手元に置いてみてはいかがでしょうか。


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